うつ病やパニック障害の精神疾患について
うつ病を簡単に例えると「憂鬱になる病気」あるいは病態(症状)を言います。
言い換えればとても心が傷つき、回復能力が無い状態で常に疲れている状態とも癒えます。
しかし、うつ病と一言で言ってもさまざまな病気の症状「病態」があるだけでなく、様々なあり方「病層といいます」があり、うつ病をうつ病として受け止める人たちの再度にも様々な環境があります。
うつ病は医学的にも一つの疾患として定義する事が大変困難となっておりましたが、現社会では少しずつ理解をして頂けるようになってきました。
ストレスはうつ病の大きな誘因です
気分が落ち込んだり中々やる気が起きなかったり・・・。
こうした心の変調はだれもが日常的に経験しているものです。その背景にはなんらかの「精神的ストレス」を抱えている事が多いのではないでしょうか?
対人関係や転職や就職といった生活上の大きな変化や死別等私達の心はさまざまなステレス要因(ストレッサー)にさらされています。
そのストレッサーの負荷に耐える抵抗力がなんらかの理由により低下してしまい、ストレスにさらされた状態が長く続くと心身の疲れが蓄積されてしまい、その結果、体調を崩すばかりでなく心の変調もまねきます。
そして過度のストレス等によって気分が沈み、やる気が出なくなった状態の事を「うつ病」といい、抑うつ気分と意欲減退を併せもった病態を「うつ状態」といいます。
うつ状態を例えるならば「長い暗いトンネルの中に一人で閉じ込められている苦しさ」の様な例えになります。
好ましいとされる性格が裏目に出るうつ病気質
まじめ、責任感が強い、優しい、完璧主義、仕事熱心といった性格的特徴は、どれも一般的には好ましい性格だと言われています。
周囲の人たちの信頼も厚く、社会的にプラスの評価を受ける人が多いと思います。
しかしながらそんな中ストレスを抱える現代の社会では、真面目や理想の頑張りやさんには、その長所が逆にうつ病を招く一つの要因となっております。
うつ病はモノアミンの欠乏が大きな要因?
遺伝的要因があるとうつ病になりやすい傾向にもなります。
その他心理的や社会的ストレス、脳内機能の変調が直接的な原因となります。
神経伝達物質として重要な役割をもっているのが、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、などの化学物質です。これらはモノアミンと総称されています。
特にセロトニンとノルアドレナリンは、睡眠や食欲、感情等といった大切な要素に大きく影響していることが解明されており、モノアミンが不足していると、情報伝達がうまく動作しなくなり、心の変調を招きます。
これが一つの仮説でもある「モノアミン欠乏仮説」です。
子供の「不登校」や「ひきこもり」の背景にはうつ病が?
乳幼児や子供、及び学生はまだ、自分の感情や気分の自覚をしたり、その感情を上手く誰かに伝える事が出来ません。
そして子供たちは自分の世界へと心をふさぎ込み、不登校やひきこもり等を引き起こす原因ともなっております。
そうした背景の一つには、思春期から青年期は、幼児期に次ぐ独立した自己が確立されてきます。勿論その分非常に精神は不安定状態となり、小さい事柄でも心が傷ついてしまう場合があります。
そして傷ついたその心の現れが不登校やひきこもりと言った問題行動を起こします。
こうした問題行動がみられる時には、背後にうつ病がひそんでいる可能性も考慮に入れておく必要があります。
その他うつ病だけに囚われず、精神分裂病やアパシー・シンドローム、対人恐怖症等の精神疾患の可能性もありますので、きちんと見極め、早めの適切な対応を心がけるようにして下さい。
うつ病は中高年層が最も多く分類されています
成人期と中年期は様々な社会的要因によりもっとも心理的負担が大きくなります。
仕事・家庭・社会・それまで積み上げてきた経験を基に様々な責任を果たそうとする立派な大人の一人として活躍をしている中、その分努力している反面、身体的にも疲労は積み重なり、勿論行動した分だけトラブルによるイレギュラーは多く存在します。
中高年では「ミドルエイジクライシス」(中高年の危機)と呼び名が存在しています。
IT社会における運動不足や、人と人とのつながり等から招くうつ病にはもっとも注意が必要とされます。
身近にうつ病で悩んでいる方がいる場合の周囲に求められる対応
励ましや叱咤激励はご法度です。
「頑張れ!」や「何でそんな事も出来ないんだ」、「気合でなんとかなるだろう」という言葉は禁物です。
うつ病に悩んでいる方はもう既に十分に限界迄頑張っています。
また、落ち込んでいるからと言って、無理やり旅行やお酒の席に連れて行く事も逆効果です。
楽しい環境を見ているとポジティブ状態の場合には、「よぉし私も・・!」と考えられますが、精一杯頑張っていて余裕がないうつ病状態の方は「何で私だけ・・・」という様に考えてしまうケースがあります。
静かな落ち着く場所でゆっくりとお話を聞いてあげるだけでも、側にいてあげるだけでも十分に力になれています。